それでも生前贈与しますか? 伊勢崎の相続手続きなら【司法書士行政書士いだ事務所】
- 投稿日:2024/04/13
先日、伊勢崎のお客様から
「親名義の土地に家を建てた。生前に相続しておきたい」
というご相談がありました。
まず、生前に相続をすることはできません。民法に「相続は、死亡によって開始する」(882条)とあります。
したがって、死亡していないのに相続で不動産の名義を変えるなどはすることはできません。
誰かが亡くなっているわけでもない、お金を支払った(買った)わけでもない。そうなると生前贈与ということになります。「生前贈与ではなくて『譲渡』だ」という方もいらっしゃいます。ですが、法律上、税金上、「贈与」として扱われます。
決まってご説明することは税金のことです。生前贈与で不動産の名義変更をすると、3種類の税金が発生します。これらをお話しさせていただくとキャンセルになる方がほとんどです。正直私自身も「これは仕事にならないかもしれないな」と思いながら聞くことが多いです。
なお、確定申告が必要となりますのでご注意ください。
ここからは不動産の評価額が1000万円であるとしてお話しします。
(1)贈与税
※税理士さんの分野となるので最小限の説明に留めます。
これが一番有名だと思います。贈与税は一番高い税金です。基礎控除として年間110万円まで非課税枠がありますが、不動産の評価額が1000万円であるとすると約231万円の贈与税が発生します。
計算式は1000-110=890万円
890×40%-125万円=231万円
となります。これを確定申告の時期に納付します。
◎相続時精算課税制度について
2500万円までの金額であれば、贈与税がかからず、相続のときにその分を加算して相続税として納めるか判断するという制度です。端的に言えば、本来支払うべき贈与税を一定の条件のもとに免れることができる制度です。※条件に当てはまるかは税理士さんにご相談ください。
・60歳以上の両親又は祖父母から
・18歳以上の子供又は孫に
贈与することが条件です。
注意点としては
・申告が必要であること
・暦年贈与が使えなくなること
・小規模宅地の特例が使えなくなること
などがあります。
ここまでの話を聞いて、その制度を使えば贈与税はかからないんだ!
よし、生前贈与しよう!となるかもしれません。しかし、他にも税金がかかります。
(2)不動産取得税
こちらの税率は住宅かそれ以外かで税率や計算が違い、控除額の有無があります。住宅ではない場合にはまあまあな税金がかかると思っていただいていいと思います。
ざっくりした説明となりますが、宅地である場合には不動産評価額の半額の3%、建物である場合には4%の税金となります。
※詳しくはお住いの県税事務所にお尋ねください。納付方法ですが、不動産の名義変更をしてしばらくすると納付書が送られてきます。よく忘れたころに送られてくると聞きます。こちらから何かアクションを起こすことはありません。
(3)登録免許税(法務局に納める印紙代)
登録免許税とは名義変更の書類を法務局に提出する際に法務局に納める税金で、収入印紙で納めます。いわゆる印紙代です。生前贈与における印紙代の税率は不動産評価額の1000分の20です。先程と同じように不動産評価額が1000万円であるとしてお話しします。そうするとこの登録免許税(印紙代)は20万円です。
中にはそのくらいの金額であればやるという人もいるかもしれません。しかし、まだ終わりません。親や祖父母であれば年月が経てばやがては子供、孫へ名義が変わります。このとき名義変更、いわゆる相続登記をするわけですが、この相続登記の印紙代の税率は不動産評価額の1000分の4で、印紙代は4万円です。
この登録免許税(印紙代)は相続と贈与とを比較すると実に5倍の違いがあるのです。
生前贈与は20万円の印紙代がかかるのに対し、相続は4万円の印紙代で済むのです。
整理しますと
税率 | 印紙代 | |
相続 | 1000分の4 | 4万円 |
贈与 | 1000分の20 | 20万円 |
以上のお話をすると、じゃあ時期が来てからでいいや、とお考えが変わる方がほとんどです。もしかしたら名義変更が書類さえあれば気軽に出来るものだと思われるかもしれません。しかし、書類も簡単ではないですし、ここまで述べてきたような税金もかかります。生前贈与するかどうか、今一度よくご検討ください。(不動産の名義が変わることと税金の心配はセットでお考え下さい)
なお、当事務所で生前贈与で不動産の名義変更をする場合には
当事務所への報酬がだいたい 65,000円くらい+各種実費
(当事務所の相続の名義変更・相続登記はコチラ)
でご検討いただいております。
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